※カマキリをうまく撮影できなかったので、過去の記事から写真を拝借した
朝、いつも観測している田でカマキリを見かけた。
この田を管理している方に、カマキリが集まる田と集まらない田があるのは何で?という話題になったので、今まで投稿してきた内容を整理してみることにする。
とりあえず、冒頭の田では殺虫剤を使用していないので、殺虫剤の話題は外しておく。
植物が自身の葉を食害性昆虫に食害された時に加害昆虫の天敵に当たる肉食昆虫等を誘引する物質を放出されると考えられている。
今まで触れた物質は青葉アルコールとサリチル酸メチルがある。
青葉アルコールについて触れておくと、周辺の葉が損傷した際に脂肪酸由来で合成されて放出される香り化合物になるが、冒頭の田では最近草刈り等の大量の草が損傷するようなことがなかったので、今回のカマキリの話題にはおそらく該当しないはず。
サリチル酸メチルは植物の防御に関するホルモン由来を少し手(メチル化)を加えた物質で、食害性昆虫からの加害をトリガーにして放出される。
サリチル酸メチルの前駆体のサリチル酸は
By Benjah-bmm27 パブリック・ドメイン, Link
サリチル酸(上の図)やフェニルアラニンといったベンゼン環(六角形の箇所)がある芳香族のアミノ酸から合成される。
当たり前の話だけれども、アミノ酸の合成はしっかりと光合成されているされていることが前提で、高温障害等で葉や根が弱っていたら合成が難しい芳香族のアミノ酸の合成量は少なくなる。
上記の内容で頭に浮かぶのが、高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるの記事で触れた葉の蒸散量で、稲作中に株の蒸散に悪影響を与えるようなことはしてはいけないことになる。
蒸散が落ちれば、光合成に必要な水や吸水時の養分の吸収が減り、芳香族のアミノ酸の合成量も減る。
ここらへんの話をまとめてみると、
今年の中干しが猛暑日の時期とぶつかって、イネが多大な高温ストレスを受けてしまったことは痛い。
おそらくだけれども、中干しによる悪影響は収穫直前に顕著化するはず。
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