和歌山市に地力を理解する為の何かがある予感があるの記事で記載した通り、和歌山市には農業史や地力を理解する為の重要な知見が豊富にある予感がある。
和歌山の農産物を追っていけば、何か重要なことにたどり着けるかもしれないので思いつく順に考えてみた。
和歌山と聞いて真先に思いつくのが、
紀州の梅ではないだろうか。
紀州の梅の歴史について調べてみたら、重要な何かにたどり着くかもしれない。
とその前にバイブルにしている佐道健 木へんを読む - 学芸出版社を開き、ウメについてを読んでみたら、ウメは古くからあるイメージであるが、古事記や日本書紀にはウメに関する記載がなく、奈良時代あたりの書物から登場するそうだ。
であれば、今注目している古墳時代の農業ではウメはまだ日本に渡来していないと考えて良さそうだ。
和歌山、ウメと歴史で検索をしてみたところ、農林水産省の記述がわかりやすかったので引用すると、
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江戸時代、稲作ができないやせ地は年貢が免除される免租地だった。紀州藩田辺領はやせ地が多く、農民は重い年貢に苦しんでいた。そこで田辺領の城代家老、安藤直次が、農民の年貢の負担を軽減するために、やせ地に自生していた「やぶ梅」に注目し、栽培を推奨した。
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と記載されていた。
和歌山のウメの栽培の歴史は江戸時代と案外新しかった。
もう一点注目すべき箇所として、田辺領とやせ地というキーワードがある。
話題は脱線するが和歌山の田辺といえば南方熊楠がまっさきに頭に浮かぶ。
和歌山の田辺の位置は
和歌山県中南部にある。
田辺には熊野古道があり、自然豊かというイメージがあるが、ウメを介して生活圏周辺の田畑はやせ地という知識を得た。
田辺市 - 20万分の1日本シームレス地質図で母岩となる地質を確認してみると、殆どが海成の砂岩か泥岩で、他は砂岩泥岩由来の堆積地だった。
ウメは後に触れたい梅干しの栄養価が高いというイメージがあり、そんなウメがやせ地に強いという特徴があるのがなんとも興味深い。
ウメは和歌山市の話題ではないが、ウメはウメで重要な知見をたくさん得ることができそうだ。