前回の記事でかぼちゃには豊富なビタミンが含まれていると記載した。
今回の記事の前フリとして、果実のオレンジ色は光合成時に活躍する集光作用を持つ色素で、この色素は生物の進化においてかなり古い時期に獲得した形質であると記載した。
上記を踏まえた上で、今回はビタミンAについて触れる。
早速、厚生労働省にある脂溶性ビタミンのPDFを読んでみると、ビタミンAに該当する物質は50種類にも及ぶが、その中でよく話題にあがるβ-カロテンについて触れることにする。
β-カロテンはカロテノイドと呼ばれる色素の一つで、ビタミンAは動物性食品から主にレチニルエステルとして、植物性食品からプロビタミン Aであるカロテノイドとして摂取される。
後者の植物性食品の方のみ触れると、
脂溶性ビタミン - 厚生労働省 118ページより抜粋
摂取したβ-カロテンは小腸吸収上皮細胞内において、中央で開裂して、
脂溶性ビタミン - 厚生労働省 118ページより抜粋
2分子のレチノールとなる。
ビタミンAは肝臓内に貯蔵されるため、毎日摂取していなくても欠乏症になるということはない。
ビタミンAの効果は欠乏症によって把握できるので、脂溶性ビタミン - 厚生労働省 119ページから欠乏症の個所を抜粋すると、
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ビタミン A の典型的な欠乏症として、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では夜盲症を発症する。その他、成長阻害、骨及び神経系の発達抑制もみられ、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなる。
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と記載されている。
ビタミンAを豊富に含むかぼちゃには、体内への病原菌の侵入を阻止する効果があると言えるので、かぼちゃを食すことに風邪をひきにくくなるということも言えることになる。
夜盲症(暗いところでほとんど見えなくなること)周りをWikipediaの記述から抜粋してみると、
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人体においては、眼球の網膜上にある視細胞のうち、薄明視に重要な桿状体細胞において、桿体オプシン(蛋白質)とリシン残基を介して結合し、ロドプシンとなる。ビタミンAはロドプシンの発色団となる。ロドプシンは視色素と呼ばれる一群の物質の一つで、視細胞における、光による興奮(視興奮)の引き金機構として重要な物質である。
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小難しいことが記載されているが、要は目で何かを見る時に、目で光を感じているけれども、ビタミンAがないと、受光するロドプシンが動かないから見えないよということ。
2月は風邪を引きやすい。
冬至あたりからかぼちゃを積極的に食べて、風邪をひきにくくしたいものだ。