昨年の後半から光合成ってなんだろうな?と思うようになり、とりあえず書籍から光合成のことを読み始めた。
光合成からコケが気になり出した。
コケはおそらく陸上に進出した最初の植物だろうからということで。
コケの前は?と意識を向けてみると、コケの前には車軸藻という緑色藻類で、その前は?と辿っていくと、太陽から注がれる光のエネルギーを活用できる藍藻類(シアノバクテリア)に行き着く。
その前は様々な紅色硫黄細菌等になるだろう。
話は戻って、陸上にいる様々な植物たちの光合成の話題を再び。
東海大学出版部の藻類30億年の自然史 藻類から見る生物進化・地球・環境 第2版という本を読んでいる。
少しだけ古い本ではあるが、現在光合成周りで得られている様々な知見を元に、酸素発生型の光合成を行うことができる生物がどのように誕生してきたのか?という内容になっている。
この本でそろそろ上陸できそうな程地上に近い位置で生育していた藻類は太陽からの強い光に悩まされ、それを様々な色素を活用して解決したのであろうという章がある。
陸上に上陸するために獲得したであろうものの中にキサントフィルサイクルというものがある。
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概要を記載すると、キサントフィルという葉の中の黄色の色素が、日差しが強い環境では、ビオラキサンチン(図の中央の上部)→アンテラキサンチン(図の中央の中部)→ゼアキサンチン(図の中央の下部)へと変換される。
※3種の○○キサンチンはどれもキサントフィルのこと
集光効率がビオラキサンチンが最も高く、ゼアキサンチンが最も低い。
強い光は体内で活性酸素を生成する要因となるため、キサントフィルで集光効率を調節して自滅を避ける。
日差しが弱い時は、(葉緑素の別の場所で)ゼアキサンチンからビオラキサンチンへと変換することで集光効率を戻す。
前者の集光効率を下げる方を見てみる(図の上部左あたり)と、文字は小さくて読みにくいが、AscH-と記載されている。
AscH-はアスコルビン酸のことで、アスコルビン酸はビタミンCのこと。
強光下において、キサントフィルはアスコルビン酸によって還元され集光効率を下げている。
このアスコルビン酸による還元の度、光エネルギーの余剰分は熱として放散されるとのこと。
前回のビタミンCの多い食材と言えば?の記事で、
緑黄色野菜のコマツナを挙げたけれども、キサントフィルサイクルとビタミンCの関係で話が繋がった。
となると、もしかしたら栽培者がビタミンCの合成を意識すれば、作物の生産性は向上するのではないか?
この話が現実味をおびてきた。
- 続く -