前回の遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策で、植物の葉にはビタミンCが含まれていることがわかった。
葉にビタミンCを蓄える意義は、太陽光の受光量の調整を行うためである。
次に知りたいことと言えば、ビタミンCことアスコルビン酸がどのような経路で合成されるかだろう。
水溶性ビタミン - 厚生労働省 226ページ目より引用
アスコルビン酸を見ると、炭素(C)、水素(H)と酸素(O)でできた五炭糖のようなカルボン酸という表現で良いのだろうか?
とにかく糖の構造に近いということを言いたい。
これを踏まえた上でビタミンCの合成で検索してみたところ、光合成生物におけるアスコルビン酸生合成研究の新展開 生化学 第83巻 第9号というものが見つかった。
※上記リンク先の839ページより引用
アスコルビン酸は三つの経路で合成され、どの経路も出発点は光合成産物である糖から合成されたものから開始している。
アスコルビン酸の合成では、シトクロムcといったヘム鉄が関与して還元性を獲得していく。
※リンク先の文中ではシトクロムcの話題を挙げていたのは、上の図の真ん中のD-マンノース/L-ガラクトース経路。おそらく他の経路でも同様のことが言えるだろう
シトクロムcといえば、アミノレブリン酸から合成されるヘムに鉄が配位されたものであるので、アスコルビン酸の合成にはその前段階として窒素化合物の還元あたりが必要となると言える。
となると、光合成の生産性を高める為にはやはり鉄が大きな要因なのだろうとうっすら見えてくる。
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