今回は養液栽培の養液の交換回数を減らすことは可能か?の記事の続き。

昨今の社会情勢により肥料が手に入らなくなり、水耕栽培で養液を交換できずに収穫できなくなっているという話題を投稿した。

収穫できなくなった最大の要因は養液中に根腐れを誘発する菌や細菌が増殖したと考えられている。




前回の記事では、古くなった養液では溶存酸素の不足を挙げたが、今回は作物の根から分泌されるものを見てみる。

根の分泌物といえば、植物の根と枯草菌のバイオフィルムの記事で見た図で、


図:植物の生育促進への利用に資する,枯草菌の転写応答機構の研究 30ページより引用


植物と土壌中の微生物らとのやりとりの際に交換しているものがある。

上の図では、植物の根からはNutrients(栄養)やFlavonoids(フラボノイド)が分泌され、土壌の微生物に供給されている。

微生物からはFe3+が記載されている。

フラボノイドに意識を向けて


養液栽培で根が常に水に浸っていたとしても、根から分泌されるものはおそらく変わらないと予想して、根から分泌されているものを調べてみることにする。





根圏 - Wikipediaのページを参考にすると、根から分泌されているものを大きく5種類に分けている。

分類は下記の通り。

・気体

・脱落細胞

・高分子有機物

・低分子有機物

・無機イオン


気体は植物の根への酸素の運搬とROLバリアの記事で触れた通り、大体が二酸化炭素で、一部の植物では酸素を含む。

養液栽培では溶存酸素の不足が挙がるので、ほぼ二酸化炭素ということで良いだろう。


脱落細胞は根は地面を耕し土を形成するの記事で触れた根の表層剥離したもの。

Wikipediaに興味深い内容が記載されていたが、今回の記事では触れないことにする。


高分子有機物は粘液質の糖や酵素あたりになる。

シンプルに生きる生物が周囲に与える影響


低分子有機物は根酸(有機酸、アミノ酸や核酸を含む)、フラボノイドやアレロパシーに関与する物質等。


Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる


シロイヌナズナから滲出する二次代謝産物のうち37%がフラボノイドのケルセチンという記載があった。

養液が古くなると、鉄の沈殿が起こるというが、沈殿にはフラボノイドが関与しているのだろう。

※鉄の沈殿は溶存酸素を減らす要因になっているかも


無機イオンには炭酸イオンHCO3-、水酸化物イオンOH-や水素イオンH+がある。


養液の交換回数を減らすためには、今挙げた物質の影響をなくすことを考えなければいけないのか。

これは大変だ。