上の写真はベントナイトという岩石を粉砕したもの。
ベントナイトは多くの鉱物の集合体であり、モンモリロナイトという2:1型粘土鉱物を多く含む。
鉱物についての知識がつき始めたので、改めてベントナイトについて見ていこうと思う。
※2:1型粘土鉱物については省略。吸着力が強い鉱物というイメージ
ちなみにモンモリロナイトの化学組成は
(Na,Ca)0.3(Al,Mg)2Si4O10(OH)2・nH2O
ベントナイトの概要を引用するとベントナイトとは、海底や湖底に堆積した火山灰が水の変性作用を受け、粘土鉱物に変質して出来た岩石を指す。
水を吸うと膨らみ、岩石粒子を粘結する力が強い。
アンモニアイオンを吸着し、乾きにくい等の特性があるため、工業的に様々な用途がある。
さてさて、上記のような特徴を持つベントナイトだけど、海底の深いところに堆積した火山灰が変性した変成岩だとすると、ベントナイトがアルミニウムを含む粘土鉱物だけではないということが予想出来るわけで、
ベントナイトの構成について書かれている論文を探してみた。
古い資料ではあるけれども、ベントナイトの鉱物組成分析 動力炉・核燃料開発事業団 東海事業所(1993年8月)というものが見つかった。
古い資料であること、冒頭の写真のベントナイトと採掘場所が違うことと分析は複雑で難しいということを踏まえた上で構成を見てみると、
※資料に記載されているベントナイトは山形県月布産
スメクタイト(膨潤する特徴を持つ粘土、モンモリロナイトを含む)がだいたい半分で、二酸化ケイ素等の無色鉱物が1/3で、残りがミネラルを含む鉱物ということになる。
ミネラルに関しては変性する前の火山灰の構成に依存するものなので、採掘した地域によって変動するだろうな。
とりあえず現時点で、ベントナイトには粘土鉱物として優秀な2:1型粘土鉱物が半分近く含まれていることがわかった。
うまく活用できれば秀品率に大きく貢献することは間違いなさそうだ。
2017年6月2日追記
ベントナイトは玄武岩質的な溶岩(火山灰)が水を含んで変成した含水鉱物
※『海はどうしてできたのか』|ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部 184ページから抜粋
2019年12月25日追記
ベントナイトの理解を深める為にグリーンタフ(緑色凝灰岩)を見に行った。
ベントナイトはどうやら玄武岩質の火山灰でなくても、火山灰であれば形成されるらしい