前回挙げたバリダマイシンAというトレハロースの分解阻害の農薬だけど、
先日、とある農薬会社のサイトで興味深い記述を見つけた。
今回はその記述を紹介する。
先日、対軟腐病の記事で植物自身の免疫を刺激することができるプラントアクティベータという農薬の話題が挙がり、
プラントアクティベータの作用があるものとしてプロベナゾールが挙がった。
プロベナゾールの推定作用点を見ると
Dr.(ドクター)岩田の『植物防御機構講座』 | 農業関連資材について | Meiji Seika ファルマ株式会社 55ページより引用
プロベナゾールの少し下流でバリダマイシンAがあることに気がついた。
該当する箇所のテキストを読んでみると、
/*****************************************************/
東京農工大学の有江力教授と住友化学の研究グループは、主としてイネ紋枯病の防除に用いられるバリダマイシンAは、本来の作用メカニズムはトレハラーゼ阻害により病原菌のエネルギー源を枯渇させてしまうところにあるが、植物の抵抗性(SAR)も誘導することを報告しています。そして、バリダマイシンAで処理されたトマトではサリチル酸が蓄積することから、バリダマイシンAの作用点はサリチル酸より上流にあると推定しています。
/*****************************************************/
と記載されていた。
上記を踏まえ前回の冒頭で挙げた内容を見ると
/*****************************************************/
ネギやニラといった地上部だけカット収穫して、根を残して再生したところで再び収穫するような作物で、
カット収穫後に消毒という意味合いとして使用するという話をよく聞く。
/*****************************************************/
消毒(予防)という意味合いでバリダマイシンAが慣習的に使用されていることと推定作用点が合致した。
植物の免疫作用は防御や攻撃のタンパクを合成することなので、
プロベナゾールやバリダマイシンAに頼る前に栽培環境を良くしておくことや適切な追肥を見直すことも大事です。
関連記事