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前回の廃菌床の堆肥としての利用の注意点の続き。

キノコ栽培を終えた直後の廃菌床を作物栽培の土と混ぜ込むことについてで、前回は糸状菌と植物の根の養分の吸収の効率という観点から、作物が菌に養分の競合で負けて弱体化する可能性があると記載した。


もう一点注意点がある。

それは生長中の菌糸の吸収ゾーンでの養分吸収の仕組みだ。


話は端折って端的に書くと、菌糸は細胞外から養分を吸収する際にプロトン(H+)を排出しつつカリウムを細胞内に取り込み、その際に発生する勾配を利用して伸長しつつ他の養分を取り込む。

この時、細胞内外のプロトン濃度の差は無視出来ない程大きい。

細胞外、つまりはキノコ栽培直後の廃菌床は強い酸性である可能性が非常に高い。


何が言いたいか?というと、


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糸状菌が活発化している状態の有機物を土に混ぜると、土壌の化学性の面でも作物の根に何らかの影響を与える可能性がある。

廃菌床の成分で堆肥として活用したいものは、糸状菌が頑張って分解したリグニンの断片(リグノイド)なわけで、糸状菌がびっしりとしている状態のものは断片が少ないはず。


そういう面から見ても、キノコ栽培を終えたものを更に発酵処理することはキノコ栽培を止めるタイミングから判断して有効なのだろうなと。


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