前回の人間よ、昆虫から学べの記事でカリバチについて少し触れた。
ハチは色々と生活に関わる重要な昆虫なので、ハチについて見ていくことにしよう。
ハチと聞いて思いつくのが、ミツバチやスズメバチだろうか。
ミツバチは蜜や花粉を集める昆虫として、スズメバチは毒針で昆虫等を捕食する肉食昆虫として有名だろう。
栽培に関わっていると上記以外でも様々なハチがいることは分かるはず。今回はイモムシ等の話になって、見るのが苦手等があるかもしれないので、文字だけで話を進めることにする。
ここからの話は、
河出書房新社 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略で自分なりに解釈した内容になる。
原始的なハチといえば、カブラハバチ等の植物食のハチがいる。
ハバチはハチで連想される毒針を持たないハチである。
しばらくして、産卵管が針のようになり、産卵管の一部から毒を分泌するハチが現れ、イモムシのような幼虫を殺虫して、そこに卵を産み付けるハチが現れた。
狙う幼虫は葉の上にいるイモムシだったのだろうか。葉の上でイモムシを殺して、そこに卵を産み付けるとなると、産卵した場所というイモムシの死骸は無防備になるため、卵ごと他の動物に食べられてしまう可能性がある。
そこで誕生したのが、イモムシを生かしたまま産卵出来るような寄生バチが誕生したと考えられている。
生きた生物に寄生するのは大変だ。
生きている以上、体内に異物が侵入した場合に排出する免疫の機能が働く為、その免疫に耐えうるような進化をしなければならない。
寄生バチはイモムシの免疫を上手く避けるような進化をしたのだろう。
もう一つの進化のパターンが体液と植物の繊維を合わせて紙を作り出せるようになったハチがいるとされる。
この紙を利用して出来たものこそが、
ハチの巣になる。
紙という素材によって、雨風に強くなり、更には周囲の敵からも身を守れるようになって、木の枝等のチョウが卵を生みやすいところの近くにいることが出来るようになった。
獲物は毒針で動きを止めて巣に持ち帰るカリバチの誕生だ。
ハチが誕生したのが、ジュラ紀でその次の時代の白亜期で花を付ける被子植物が誕生する。
花には高タンパクの花粉があり、それを採取して巣に持ち帰るハチが現れた。
ハチと植物の共進化により、植物は蜜でハチを呼び、ハチは植物間で花粉を媒介する関係が構築された。
上記の流れで栽培に関与するハチを整理すると
・作物の葉を食害するハチ(ハバチ)
・イモムシを捕食するハチ(寄生バチやカリバチ)
・花粉を媒介したり蜜を集めるハチ(ミツバチ)
になる。