前回、ライ麦パンのパン種であるサワードウについて触れた。
サワードウはイースト + 乳酸菌で乳酸菌はライ麦の実に自生している菌を培養するそうだ。
乳酸菌の培養の話題で乳酸菌はちょっと贅沢な細菌らしく、培養には糖類やアミノ酸以外にビタミン等も意識する必要がある。
ふと堆肥として微生物を活用する時、ビタミンを意識するといった話題を見たことがないなと思った。
学生の頃に大腸菌の培養を行っていたけれども、その時の培地(LB培地)ではビタミンを意識していたな。
廃菌床ことキノコの廃培地でも成長促進剤としてビタミンを入れていたはず。
というわけで、人工的な培地になるけれども、乳酸菌を培養する培地ではどんなビタミンを添加しているのか?を見てみることにする。
もしかしたら実験用の培地の知見から堆肥の品質を向上させるヒントがあるかもしれないしね。
培地の詳細を調べようと検索をしたら、
食品製造に適した乳酸菌用培地作製に関する検討 - 京都市産業技術研究所 研究報告 No.7 2017という研究報告に行き着いた。
乳酸菌の培養で使用するMRS培地の組成を見ると、
アンモニウムや各種微量要素は硫酸塩等で添加していて、ペプトン、肉エキスや酵母エキスを添加している。
これらの物質はいったい何なのだろうと再度検索してみたら、
培地の成分知っていますか? 生物工学基礎講座バイオよもやま話 - 生物工学 第89巻 2011という読み物に行き着いた。
この読み物に依ると、ペプトンはタンパクを消化酵素によって小さなペプチドやアミノ酸にまで分解したものとなっている。
他に添加している肉エキスや酵母エキスにビタミンが豊富に含まれているらしい。
酵母エキスの製造で利用しているのがパン酵母やビール酵母であるらしい。
酵母エキスにどんなビタミンが含まれているか?という話題は、各種ビタミンが満遍なく含まれているので触れないことにする。
酵母エキス以外で興味深い話として、
乳酸菌の培養の成長促進としてトマトジュースを添加していることがあるらしい。
話は戻って、酵母が有機物やミネラルから各種ビタミンを合成する。その各種ビタミンを乳酸菌等が利用する。
となると、酵母にとって良い環境を作ることがその後の様々な有用な菌が動き出すという予想へと繋がっていく。