前回の乳酸菌の培養の知見を堆肥製造の知見に活かせるか?の記事で乳酸菌の培地の構成を見た。
培地というのは微生物の研究において、調査したい微生物のみを増殖させて解析を行うための一種の微生物の住処で、微生物の研究において最適な培地の探索が難関だと言われる。
人工的なものではあるけれども、培地の構成には自分の知りたい微生物の特徴を探る為のヒントが詰まっていると言える。
この話を聞くと、おそらく頭に浮かんでくる土壌微生物がいるはずで、その微生物の培地も気になるはずだ。
そう!
枯草菌の研究で使用される培地は何か?だろう。
微生物資材に頼る栽培者がよく発する微生物名に納豆菌がある。
納豆菌は枯草菌の一種であって、納豆菌以外でも枯草菌の仲間には栽培者にとって有用な細菌が多い。
早速、枯草菌の培養で検索をかけてみると、とある大学のサイトの資料に行き着いた。
資料に記載されている培地はDifco Sporulation Medium(通称、DSM)と呼ばれるもので、
カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、マンガン、鉄の塩に加え、
※写真は固形ブイヨンとして扱われるコンソメ
主の物質がブイヨンとなっていた。
ブイヨンといえば、牛、鶏、魚などの動物質を野菜などとともに長時間煮込んで作るもので、
前回の記事で言うところの肉エキスに相当するものとなる。
ブイヨンには糖やタンパクの他にビタミン、ミネラルも豊富に含まれていて、有用微生物の活性化にはビタミンやミネラルが必要である可能性が増した。
この知見を堆肥製造に活かすとしたら、
ブイヨンは堆肥の製造では高価なものになるので、
魚粉、油かすや骨粉を混ぜ合わせたものを
植物性の有機物の使用の際に併用して使用するといったところだろうか。
栽培にとっての有用微生物の活用は培地の知見を介すことで少しずつ見え始めてきた。
※土壌微生物の活用は先に土壌の物理性等の改善有りき
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