ベニテングダケの毒性の記事まででわかる通り、森林を学ぶ為にブナ科の木の事を学んでいる。
京都大学学術出版会から出版されている原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略によると、日本にはブナ科の木が22種1亜種3変種(品種、雑種は除く)あるらしく、属で分類するとブナ属、マテバシイ属、シイ属、クリ属とコナラ属があるらしい。
関西の町周辺の雑木林でよく見かけるコナラ、クヌギやシラカシはコナラ属に分類される。
※コナラとクヌギはコナラ亜属でシラカシはアカガシ亜属
今までの記事ではマテバシイ属、クリ属とコナラ属の木を見つけた。
ブナ科を学ぶ為にはブナ属とシイ属もこの目で見ておきたいところ。
というわけで、これらの属を探してみることにした。
まずはブナ属だけれども、この属は今住んでいるところよりも平均気温が低いところに分布しているらしいので保留にする。
もう一つのシイ属だけれども、どうやら極相に達した森林でないと見つけるのは難しいらしい。
極相に達するというのは、高校生物で触れる荒れ地から森への遷移で、ススキの草原から陽樹の森林を経て陰樹の森林になる過程の最終段階を指し、町の近くにあるような雑木林のことではない。
極相に達した森というのは俗にいう深い森のことだ。
そんなシイ属の木だけれども、神社の御神木として祀られているところがあるという情報を得たので検索をしてみたら、大阪北部の島本に御神木ではないけれども、シイ林を維持している神社があることを知った。
というわけで早速行ってみることにした。
大阪みどりの百選でシイ林に選ばれている若山神社に着いた。
この神社には42本のツブラジイ(コジイ)が自生している。
コジイは大阪の森林において極相に達した森林の種の木になる。
コジイは大きく私の所持している広角単焦点のレンズであってもコジイ全体を写すのが難しい。
早速ここでドングリを探す。
シイの枝葉が参道を覆っているので、
人の歩く道をよく見るだけでドングリはすぐに見つかる。
ドングリを学ぶ時は殻斗があると良いので殻斗付きのドングリを探してみる。
殻斗付きのドングリを見つけた。
今まで見てきたコナラ属の殻斗と形状が異なる。
ブナ属とシイ属は殻斗による保護の期間が長いらしい。
シイ属のツブラジイを見つけたので、今後の探索の為にドングリ以外の箇所も記録しておく。
ツブラジイは巨木である為、超望遠レンズを持ち出し、枝葉の撮影をした。
これらの特徴だけでは他の場所に行った時の木の特定は難しいね。
とりあえず、ツブラジイをこの目で見たことによって、極相に達する際に生える木の事を知ることができた。