どの業種にも言えることだろうけれども、不思議な慣習というものがある。
例えば肥料関連では、
出荷の葉色の濃い野菜が好まれるらしく、最後に色をのせるといった意味合いで追肥を行う。
葉色が薄い野菜よりも美味しそうであったりお得に見えるのだろうか?
最後に過剰施肥を行い品質を落とすという行為が行われている。
※おそらく栄養価も落ちている
葉色の濃くする要因が酸化力が高いものである可能性が高いので、店側で仕入れた後の棚持ち(鮮度よく棚に並べ続けること)も悪くなるだろう。
市場が葉色の濃い野菜を求めるということは、栽培側も葉色の濃い状態が良いとなり、葉色が濃くなるような栽培技術が発達していく。
具体的には元肥には牛糞を入れたり、すぐに肥効を示す水溶性の肥料を頻繁に使用したりとか。
美味しい野菜の栽培を目指していた方にあったことで記載したが、葉色が濃いと虫の食害や病気の感染の被害が多くなり、農薬の使用頻度が増す。
農薬は製造や散布に燃料を使うわけで、環境に対する負荷が増す事に繋がる。
市場は葉色の濃い野菜を求める。
葉色の濃い野菜はおそらく食味や栄養価が低いにも関わらず、生産コストと環境負荷は高い。
野菜を売る側にとっても在庫の管理が難しくなり、それだけ経費もかさむ。
今の時代にそぐわない事をやっているなと常々思う。
栽培の中心にはいつも化学で記載したが、流通関係の方が「大半の人は美味しい野菜とはどのような味かを知らない」と言っていた。
美味しい野菜が市場に現れ、味に対しての価値に対して適切な金額が付けられた時に、出荷前に肥料で色をのせるといった暴挙はなくなるのだろうな。
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