解糖系という反応

前回、ブドウ糖の分解で無酸素状態で行われる解糖系という反応を記載した。


解糖系だけど、

C6H12O6 + 2ADP + 2NAD+ → 2C3H4O3 + 2ATP + 2NADH2+

ブドウ糖からピルビン酸(C3H4O3)ができると同時にATPが2つと自由に使用できる電子を持っているNADH2+が2つあることが大事。


解糖自体は微生物も行うことができ、嫌気性の微生物のブドウ糖の分解はピルビン酸からもう少し反応させて、乳酸やらアルコールやらで終了する。


ピルビン酸からアルコールにする過程でNADH2+が消費されたりするけど、電子を他の用途で利用したいがために有機物から取り出す微生物もいるだろうから、糖や有機酸の分解で電子を得ることができるというのは非常に大事な要素であることは間違いない。

強靭なあれを壊すための連携


ということを踏まえた上で次の反応を見ることにしよう




解糖系でできたピルビン酸はクエン酸回路という反応で、電子をたくさん取り出す。

クエン酸回路は各細胞にあるミトコンドリアという器官で行われる。

ミトコンドリア - Wikipedia


具体的には、


kuensan2


ピルビン酸が重炭酸イオンと反応してオキサロ酢酸になるか、ピルビン酸からアセチルCoAという変化を経て、オキサロ酢酸と合成するかでクエン酸回路という反応系が始まる。

※いろいろと省いているので、詳しく知りたい方は本を買うなり検索をしてください。

クエン酸回路 - Wikipedia


回路の様に順に反応することで、各有機酸から電子を取り出していることがわかる。

※NADH2+が生成される時に、二酸化炭素も一緒に放出される。


この電子を最後に一気に利用して、大量にATPを生産するが、それはまた別の話で書くとして、このクエン酸回路だけど、よくよく見てみると、どこか見覚えがある有機酸の名前がある。


それはケトグルタル酸。

ケトグルタル酸といえば、


tissodouka2

硝酸態窒素はどこで使われる?


植物体内でのアミノ酸の合成の時に出てきた有機酸。

植物の細胞内にももちろんミトコンドリアがある。

ミトコンドリアがクエン酸回路で必要な有機酸を他のところで使う様に放出するかはしらんけど、植物はクエン酸回路で生成されるのと同じ有機酸をアミノ酸の合成に利用していることはわかった。


植物がアミノ酸の合成に糖の合成を挿むならば、アミノ酸をそのまま吸収する特徴を獲得したかったという気持ちもよくわかる。

※植物はアミノ酸やアミノ酸がいくつかつながったペプチドで吸収できるという報告がある