有機質肥料の施肥では種類と作物の相性に注意すべきの続きまでの記事で有機質肥料の肥効について見てきた。

そろそろ見ていきたいものとして、植物がアミノ酸態窒素を吸収した時に、アミノ酸窒素がどのように利用されるのか?についてで、本来であれば光合成を経て合成されるアミノ酸からタンパクを組み立てる時に、根から吸収したアミノ酸がその分を補填するのか?を知りたい。


この疑問は二瓶直登著 植物のアミノ酸吸収・代謝に関する研究 - 福島農総セ研報 2: 21-97 (2010)の69ページに記載されている内容である程度解消される。


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上記ページにイネの幼植物に


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グルタミン(Gln)、


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アラニン(Ala)と


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バリン(Val)を与えた時に、各アミノ酸が細胞内でどのように利用されたか?の図が記載されていた。

どのアミノ酸も直接タンパクや核酸に取り込まれていて、グルタミンとアラニンはグルタミン酸(Glu)、アスパラギン酸(Asp)を経て、アスパラギン(Asn)、セリン(Ser)とアラニン(Ala)になっていた。


植物がアミノ酸態窒素を吸収すると、直接タンパクや核酸の材料になっていた為、光合成からタンパク合成の補填をしていることがわかった。

有機質肥料を施肥して、作物の食味が向上するのは、アミノ酸態窒素に因るものだと捉えておいた方が良さそうだ。