ヒトはオレンジジュースに含まれるカロテノイドを利用できるのか?の記事で、ヒトが吸収できるカロテノイドとそうでないものを見た。
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上の図のルテインはギリギリ吸収できるらしくて、
JaGa; Yikrazuul - self-made using BKChem and Inkscape, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
ビオラキサンチンは吸収できないそうだ。
吸収の可否は両端の環状の箇所の極性(-OHがあるか? Oがあるか?)に因るものらしく、
Oks - Own work using: BKChem, パブリック・ドメイン, リンクによる
上の図のβ-クリプトキサンチンはルテインよりも-OH基が少ない為、ヒトは吸収できるようだ。
この内容を読んで気になったことがあるので今回はその内容について触れる。
コロナ禍の時に鮭を積極的に摂取すると良いという内容を頻繁に見かけた。
この時注目されていた栄養というのが、
Yikrazuul - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
アスタキサンチンというカロテノイドになる。
鮭は植物性のプランクトンが合成したカロテノイドを蓄積するといった特徴があるらしい。
ただ、このアスタキサンチンの構造をよく見ると、=O の箇所があり、ルテインよりも極性が高いのでは?と疑問が生じで、この内容が正しければ、ヒトはアスタキサンチンを吸収できないのではないか?
※=O の箇所によって極性が高くなるか?に関しては自信はない
民間の研究報告であるが、小川学等 アスタキサンチンナノ乳化物の開発− 安定性向上と吸収効率向上 - FUJIFILM RESEARCH & DEVELOPMENT (No.52-2007)でアスタキサンチンの吸収効率を高める研究において、高める前の比較区のアスタキサンチンの油性溶液でもそれなりの量のアスタキサンチンが吸収されていた。
※油性溶液でないものの記載はなく、通常の摂取において、油性溶液が通常であるかどうかも不明
もし、鮭のカロテノイドが何らかの調理法によって吸収効率が高まったとするならば、オレンジのビオラキサンチンも同様のことをすれば吸収できるようになるかもね。