石鹸の作り方の記事で石鹸作りで重要な鹸化について触れた。
この鹸化についてを整理している時にふと気になったことがある。
それは鹸化の際に分離した脂肪酸の種類によって石鹸の性能は変わるのか?ということだ。
例えばヤシ油には
Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる
ラウリン酸という左側の炭素鎖が短い飽和脂肪酸を豊富に含む油脂があったり、
Ben Mills - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる
オリーブオイルには上記のオレイン酸が豊富に含まれていたりする。
油脂がどの脂肪酸で構成されているか?によって機能が異なるように、鹸化して分離した脂肪酸も石鹸の機能に関係していてもおかしくない。
というわけで早速検索をしてみた。
齋藤俊和 界面活性剤の基礎 ̶セッケンと合成洗剤― - 化学と教育 69巻 4号(2021年)で石鹸に関する内容が記載されていた。
上記の資料の160ページにある表1によると脂肪酸によって表面張力の数値が異なっていることがわかる。
表面張力に関する記述をピックアップすると
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融点と液体の表面張力の値は飽和炭化水素鎖の酸では炭素数増大と共に上昇するが,同じ炭素数でも不飽和炭化水素では大きく低下している。
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と記載されていた。
表面張力だけでいえば、牛脂に豊富に含まれているステアリン酸あたりが最も数値が高いことになっているので、牛脂から作った石鹸が最も性能が高いのか?と思いたくなるが、実際のところはどうなのか?はわからず。
牛脂で作られている石鹸をよく見かけるので、表面張力の数値は重要かもしれない。