河津の遺跡から発見された黒曜石の石器の記事で、静岡県の河津にある遺跡から、神津島産の黒曜石が発見されたという内容を記載した。
地名に津が付くところは古代史における港を意味し、神の港のある島で神津島。
その神津島産の黒曜石ということで、
これから頻繁に黒曜石が関わってきそうなので、黒曜石について整理しておく。
株式会社誠文堂新光社から出版されている青木正博著 鉱物・岩石入門 増補版を開いてみると、花崗岩(流紋岩)質マグマが地表付近で急冷してでき、全体がガラス状になっているそうだ。
(株式会社誠文堂新光社 日本の石ころ標本箱 201ページの図を参考にして作成)
流紋岩質マグマは粘性(ケイ酸の含有量)が高いマグマで、ガラス質はケイ酸の多さ由来となる。
粘性の高いマグマであるので鉄は少ない事になり、
黒曜石の黒は鉄の含有量に因るものではなく、光が岩石の内部に達して吸収される為に黒っぽく見えるそうだ。
山と渓谷社から出版されているくらべてわかる岩石(文:西本昌司 写真:中村英史)に、鉄を多く含む黒曜石の写真が掲載されていたが、黒曜石に鉄が含まれると、酸化鉄が取り込まれる形になるため、赤みが増すようだ。
黒曜石は鋭利に割れやすいという特徴があるため、
こんな感じでナイフ型石器の形に加工しやすい。
以前どこかで古代の日本では、大きな山、大きな岩、大きな木や先の尖ったものには神が宿るといった信仰があったという内容を読んだことがある。
他に海の彼方にも何らかの信仰があるという内容を読んだことがある。
神津島の黒曜石は、海岸からギリギリ見える島に、簡単に先が尖ったものを生み出す事ができる石であるため、この2つの特徴が兼ね備えられて神津島と名付けられたのかな?