ポリフェノールを順に理解する為にエタノールから触れていくの記事で、土を理解するためにはポリフェノールを理解すべきだという内容を記載し、ポリフェノールの前にフェノール、フェノールの前にヒドロキシ基(-OH)ということで
アルコールの一種であるエタノールを見ることにした。
エタノールはCH3CH2OHで示され、右側のOがHを引っ張る力が強く、CH3CH2O- + H+といったことは起こらず、エタノールを水に溶かしても、水が酸性になるということはない。
エタノールが水に溶ける要因は右側のヒドロキシ基が水と水素結合によって結合されることに因る為で、これが後の話題で重要になってくる。
今回触れたいのは、ポリフェノールから脱線して、消毒液としてのエタノールになる。
消毒液としての振る舞いを考える為に、もう一つエタノールの特徴を挙げておくと、
※細胞膜の模式図
細胞膜を透過しやすいという事がある。
エタノールが消毒液として作用するためにはエタノールの濃度が重要になるが、今回は消毒液としての適正濃度として話を進めることにする。
今回の話題はアルコールがウイルスに効くのはなぜ? - 東海大学チャレンジセンターを参考にするが、詳細の記載は無いため、自身で補足することにする。
解釈の誤りで内容が異なるかもしれないので、あくまで参考にとどめておいて欲しい。
上の図の細胞膜には膜貫通タンパクというものがある。
タンパクはアミノ酸というものが直鎖で結合して、アミノ酸の直鎖が折りたたまれる際に様々な結合で安定化して、酵素等の機能を持つようになる。
この時の結合にはジスルフィド結合や水素結合等がある。
アミノ酸が直鎖状に並び、上の図のようにセリンとアスパラギンが向かい合ったとする。
セリンとアスパラギンの間で水素結合が生じ、タンパクとしての構造が安定化する。
エタノールには細胞膜を容易に透過するという特徴があるため、
のようにタンパクの間にある水素結合の箇所に入り込んで構造を不安定にして変性させる。
この勢いで細胞膜の膜としての構造に穴を開けて崩壊させる。
多細胞生物であれば、一つの細胞が崩壊しても致命傷にならないが、細菌やウィルスのような単細胞の場合は、一つの細胞が崩壊すると致命傷になるため、消毒という作用が成立する。
とりあえず、ヒドロキシ基と水素結合はこれからの話でも重要になるだろうから、意識しておくことにしよう。