モノリグノールのグリコシドの記事に引き続き、モノリグノールと他の化合物との合成についてを調べることにして、講談社から出版されている植物細胞壁を読み返してみた。

『植物細胞壁』(西谷 和彦,梅澤 俊明)|講談社BOOK倶楽部


モノリグノール関連の話題でスベリンの構造の推定化学構造の図が記載されていて、推定ではあるもののモノリグノール関連の話題であるため、把握しておくことでどこかで役に立つかもしれないので触れておくことにする。


はじめにリグニンから現在知りたい箇所を見ておく。

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スベリンは芳香族化合物の重合体および脂肪族化合物の重合体の2種類の構造からなる。芳香族化合物重合体は主に一次壁、脂肪族化合物重合体は主に一次壁と細胞膜の間に位置し、この2つの構造の間は架橋構造によって結合していると考えられている。

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スベリン#化学構造と生合成 - Wikipedia


芳香族化合物というのは、六角形のベンゼン環を含む化合物を指し、冒頭で紹介した本では、


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※図:『植物細胞壁』(西谷 和彦,梅澤 俊明)|講談社BOOK倶楽部 84ページ 図 1.11-8より引用


モノリグノール同士が結合して形成されたリグニンの端に脂肪酸が付与され、脂肪酸の間にモノリグノールが配置された構造になっている。

10年以上前に出版され、更に推定化学構造であるので実際はわからないが、このような結合をする可能性があるのは十分重要な知見であることは間違いない。

ゴマの価値を知る為には脂肪の理解が必要なのだろう


このような構造をした有機物を土に施用した際にどのように変化していくのか?を想像するのは良いものだ。




余談だけれども、スベリンという名前はコルクガシから発見され、コルクガシの学名であるQuercus suberのsuber(おそらくスベルと読む)からとったそうだ。


スベリンは細胞壁に蒸散を防ぐ機能を与える為、


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コルク栓等の用途に向いているのだろう。