腐植酸とは何なのか?1等の記事で腐植酸の合成について見ていると、頻繁に求核置換反応関連の文字を見かける。
有機化学の本の取り出しても、すんなりとイメージできる段階にまで到達しないので、丁寧に見ていくことにする。
はじめに求核置換反応について触れると、
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求核置換反応とは、求核剤と求電子剤との反応の一種であり、求電子剤上の原子(あるいは原子団)が、求核剤由来の別の原子(あるいは原子団)に置き換わる反応
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※眞鍋敬 反応はなぜ起こるのか? 求核置換反応 - 化学と教育56巻10号(2008年)
であるという。
この説明だけではわかりにくいので、身近に有りそうな例を探してみたところ、クロロメタン(塩化メチル)と水酸化ナトリウムの反応を見てみる。
塩化メチルはCH3Clで、水酸化ナトリウムはNaOHになる。
上記の化合物では、CH3Clが求電子剤となり、NaOHが求核剤となるそうだ。
逆順になるが、NaOHは水に溶けると水酸化物イオン(OH-)になり、電子対を共有したいという特徴があり、他の原子核の正電荷に引きつけられやすい状態であるそうだ。
この状態こそが求核剤の特徴となる。
OH-は塩化メチルの炭素と塩素の結合を切断し、塩素イオンが離脱する。
今回切り離された塩素イオンを脱離基と呼ぶそうだ。
残された側の炭素にOH-が繋がり、求核置換反応が終了する。
以上の反応を化学反応式で表すと、
CH3-Cl + NaOH → CH3-OH + NaCl
になる。
今回の反応を一般化すると、
R-X + NaOH → R-OH + NaX
※ R : アルキル基 (メチル基、エチル基など)
※ X : ハロゲン原子 (フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)
になる。
ハロゲン原子について触れておくと、周期表の第17族に属する元素の総称で下記の特徴がある。
最外殻電子
7個の電子を持っていて、陰イオンになりやすい。
高い電気陰性度
原子核が最外殻電子を引きつける力が強く、電気陰性度が非常に高い。
酸化力
電子を受け取りやすい性質から、強い酸化力を持つ。
ハロゲン化物
金属と結合してハロゲン化物を形成する。
ハロゲン化物は、イオン結合性または共有結合性を示す。
単体
通常、2原子分子として存在する。
整理してみたものの、この内容ではキノンの求核置換反応についてのイメージは出来ない。