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医療品としてのサリチル酸の記事でサリチル酸について触れた。
医療品としてのサリチル酸には、角質軟化作用というものがあるらしく、硬タンパクを軟化させる作用を持つそうだ。
サリチル酸といえば、植物ホルモンとしても有名なんだけれども、ホルモンとして働く時にサリチル酸がタンパクに悪影響を与えることは無いのか?ということが疑問になった。
おそらく悪影響があるだろうから、サリチル酸に糖を付与させたり、メチル化したりして反応性を弱めて無害化しているのだろうけど。
とりあえず、サリチル酸の角質軟化作用について見ていく。
最初に角質とは何か?について触れておかないと、話が前進しないので角質について触れておく。
角質とは肌の最外層を覆っている硬く平らな細胞の層のことを指し、角質層とも呼ばれる。
角質層は外部の刺激から守り、体内の水分の蒸発を防ぐという役割があるとされている。
角質層は死んだ細胞の集まりで、この細胞の中にケラチンという硬いタンパクが敷き詰まっている、。
ケラチンというタンパクがなぜ硬いのか?というと、
システインという硫黄(S)を含むアミノ酸が豊富に含まれているタンパクで構成され、
システイン同士がジスルフィド結合でつながっている。
ジスルフィド結合はタンパクを構成する中で強い結合だとされている為、ジスルフィド結合が多いケラチンは硬いということになる。
では、サリチル酸はケラチンに直接作用するのか?と思うが、実際はそうではないらしい。
話は長くなるので、今回はここまでにしておく。