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家畜糞に含まれる臭気成分のトリメチルアミンの記事で排出直後に含まれる臭気成分のうち、トリメチルアミンについて触れた。
トリメチルアミンには刺激性があるそうなので、家畜糞を肥料として使用したい場合は、この臭気成分も無くしておきたい。
臭気成分、つまりは空気中に放散され続けているので、切り返し等を行っていれば自然と量は減るだろうが、化学反応の方も抑えていおきたい。
というわけで、単純な反応から見ていくことにする。
とりあえず、家畜糞の熟成で最初に見るべきは切り返し等による酸化だろう。
というわけで、トリメチルアミンの酸化について調べてみたら、過酸化水素(H2O2)等の穏やかな酸化剤と反応させると、トリメチルアミンの窒素原子上の非共有電子対が酸素原子と結合してトリメチルアミン-N-オキシドになるそうだ。
反応は下記の通り。
Me3N + H2O2 → Me3NO + H2O
※Meはメチル基(-CH3)の略
過酸化水素は家畜糞の熟成の初期段階で活性化するコウジカビにより発生する可能性があるので、上記の反応は起こり得る。
トリメチルアミン-N-オキシドは無臭且つ揮発性であるため、酸化によって臭気が一つ減ったことになる。
次はトリメチルアミンの分解について見ていきたいが、それは次回以降で。