生物は日常的にDNAを切ったり貼ったりしている。
とある細菌が合成する酵素の中には、
DNAのとある箇所を狙い撃ちで切り取ることができるものがある。
図で書くと、
こんな感じ。
切れるということは
遺伝子の断片を導入できる酵素も存在する。
つまりは、
とある細菌にあるとある酵素と入れたい遺伝子断片があれば、
自分オリジナルのプラスミドを作ることが可能ということになる。
細菌はこのプラスミドが有用であれば、
自身の細胞に組み込むこともできる。
DNAは塩基と呼ばれる4種類の核酸(A、T、C、G)が規則に従って直鎖状に並んでいるもので、
4種類の核酸がどの順番で並んでいるかによってどのような機能になるかが決まる。
※4種類の核酸はアデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)
例えば、
導入する遺伝子の配列がAUGGAAUUACGUUAGであれば、
メチオニン-グルタミン酸-ロイシン-アルギニンというアミノ酸がつながったペプチドができる。
DNAに読み込まれるとアミノ酸の配列を返すわけで、
アミノ酸がつながり、折り曲がったりすることで機能を形成していくので、
DNAには生体内で何らかの動きのあるタンパクを合成するための設計図が記載されていることになる。
他の大事なこととして、
塩基配列が読まれる方向は決まっていて、
※環状DNAを例にしているが、高度に折りたたまれたDNAの場合は直鎖に伸ばして読み込み、その時も方向は決まっている。
実際に機能するタンパクが合成されるのはDNA全体から一部分の塩基配列しかなく、
配列すべてが何らかの機能を持っているというわけではない。
これにより、
適当な箇所でDNAから塩基配列を切り取っても致命傷にならないというわけ。