たとえばだよ、栽培開始時点で強い酸の肥料を使ってしまったとする。

まぁ、それは石灰で何とか調整したとしてもだよ、く溶性の使いどころで記載した通り、栽培途中でも有機酸を出して周りを溶かす生理現象は常に発生している。


でだ、この有機酸の分泌によって栽培途中でpHが下がり続けるということも考えられるわけで、そうなったらどうなるか?というと、


hiryo_kyusyu_ph3

(JA全農 肥料農薬部 施肥診断技術者ハンドブック 2003 44ページから引用)


pHの適正どころか、pH6.0を切ってしまうことだって考えられる。


でだ、ホウレンソウといった5週間ぐらいで出荷できるものなら良いけど、トマトといった5月定植で9月まで採りつづけるものだったらどうなるか?と言えば、

収穫期にカルシウムの吸収が落ちて、しり腐れ病になりやすくなりますよ!ということになる。


そこで大事になるのが、く溶性の石灰で、炭酸石灰等のく溶性の石灰を仕込んでおくことで、栽培後期になってもなかなかpHを落とさない様に出来る。


このようにpHが変化しない様な特徴を土壌の緩衝性と呼んでいる。