日本でゴマの栽培は可能なのか?の記事までで、脂質の観点から食用油についてを見てきた。
食用油に含まれる脂肪酸の観点から、必須脂肪酸であるリノール酸が多く含まれているものは過剰摂取の心配があり、調味料としての風味と健康のバランスをとるのは難しい。
上記の観点で改めて食用油について見ていくと、頻繁に名前が挙がるものとして、
エゴマ油がある。
エゴマ油中に含まれる脂肪酸の構成は
・α-リノレン酸 60%前後
・リノール酸 + γ-リノレン酸 20%前後
・オレイン酸 20%前後
・その他脂肪酸 微量
※太字が必須脂肪酸
になっていて、リノール酸の過剰摂取を回避できる。
ここで気になるのは、何故エゴマ油にはα-リノレン酸が豊富に含まれているのだろうか?
この疑問に少しでも近づく為に、エゴマ自身について見ていくことにする。
エゴマ(荏胡麻)はゴマという名前が付いているけれども、シソ科の一年草だ。
食用で用いるシソとは同種の変種であるそうだ。
食用油の原料のタネとして収穫するのが、秋頃とゴマの収穫と近い。
シソという言葉から独特の香りを連想するが、その香り成分とα-リノレン酸が関係しているのかな?