基肥として推している肥料に水マグというものがある。
ロングマグは2つの苦土の塩がブレンドされた速効性と緩効性を兼ね備えた苦土肥料になっているが、主成分の一つがブルーサイトという水酸化鉱物を粉砕したものになっている。
※苦土=マグネシウム
Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
ブルーサイトは和名が水滑石(すいかっせき)で化学式がMg(OH)2で表す水酸化鉱物の苦土である。
二酸化炭素を吸収することでく溶性の炭酸苦土(MgCO3)に変わる。
何故、先日まで粘土鉱物の話題を出していたのに、唐突に水マグの話題を挙げたかというと、このブルーサイトが出来る場所というのが非常に興味深い。
化学同人のネイチャーガイド・シリーズ 手のひらに広がる岩石・鉱物の世界 岩石と鉱物の105ページに水滑石の説明があるので参考にすると、200℃以下の熱水鉱脈の大理石や緑泥石片岩中で産出すると記載されていた。
※上の写真は徳島で撮影した緑色石片岩だと思われるもの
緑泥石片岩といえば、徳島県の阿波青石という石材で有名で、三波川変成帯付近でよく見かけるらしい。
緑泥石片岩は読んで字の如く緑泥石を豊富に含んだ変成岩である。
片岩という名称から広域変成作用を受けて再結晶化した変成岩であることがわかる。
緑泥石片岩中の水マグ付近には層間物質を失った2:1型粘土鉱物、つまりはスメクタイトのようなものがたくさんあるのだろうな。
となると、
緑泥石片岩が風化して形成された土を想像すると、海水由来の粘土由来のカリやマグネシウムがあって、く溶性のマグネシウムもあって、栽培に有利な2:1型粘土鉱物も豊富にある。
緑泥石片岩(緑色片岩)の成り立ちを調べると、
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玄武岩に代表される火成岩などが、比較的に低温・低圧のもとで広域変成作用を受けて生成されたも
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粘性の低い火成岩由来の変成岩とされるので、玄武岩や斑れい岩特有の微量要素豊富の特徴を持ちつつ、これらの岩の欠点であるカリウム不足も海の恩恵によって問題がない(はず)。
徳島の三波川変成帯付近で栽培していた方が、
「ここ(吉野川市周辺)で栽培がうまくいかない人は、どこの地域でもやっていけない」
と自虐的ではあるが、土地のことを褒めていた方がいた。
やはり栽培の重要な要因は緑泥石にあるのかなと。
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