臭いは球体にしてどこかに流すまでで、
臭いの原因の一つであるプロピオン酸をどうにかすることで消臭するところまで記載した。
その時の手法はプロピオン酸を塩にして、ミセル化で流すだった。
話は、重曹で消臭に挑戦!まで戻って、
アンモニア(NH3)まで戻ってみる。
構造を見る限り、
プロピオン酸の塩にすることでは解決しそうにない。
というわけで、
重曹でどうにかするのは置いといて、
アンモニアそのものの反応を見ることにしよう。
アンモニアと言えば、
土壌中ではアンモニア酸化細菌や亜硝酸酸化細菌によって硝酸という別物になるのが有名。
硝酸はアンモニア程嫌な臭いではなかったはずなので、
アンモニアが酸化されれば消臭できた!ということにしよう。
で、アンモニアの酸化反応を見てみると、
アンモニア酸化細菌という細菌によって、
NH3 + O2 + 2H+ + 2e-→ NH2OH + H2O
アンモニアを酸化してヒドロキシルアミン(NH2OH)にする。
そこから、
NH2OH + H2O → NO2- + 5H+ + 4e-
ヒドロキシルアミンを亜硝酸(NO2-)にする。
(上記の反応はアンモニア酸化細菌の分子生物学 Journal Environmental Biotechnology Vol.2, No.2, 135-143, 2002を参考にした)
酸化は物質に酸素を付与するという意味もあるけど、
物質から電子を取り出すという意味でもあり、
アンモニアから亜硝酸になるまでに電子が放出されているので、
無事にアンモニアは酸化されて別の形になった。
これでアンモニア臭は幾分軽減されただろう。
ごり押しでまとめると、
悪臭(刺激臭)を酸素に晒せば臭いは消える可能性があるのね。
とりあえず、
次回は亜硝酸から硝酸に変わる反応を見ていこうと思う。