前回のイネの有効分げつ歩合とはの記事でイネの分げつのうち、収量に関するものとそうでないものの違いを見た。
収量に関係ない分げつは収量に関する分げつから発生した高次分げつのことを指す。
となると、一般的に言われる中干し前の分げつが有効で、中干し後の分げつが無効というのはあくまで指標であって、明確な判断基準ではないということがわかる。
今のところ、傾向として(観測範囲内で)一律レンゲ米の水田は分げつの発生が遅いというのも、無効分げつの発生を抑えているという可能性も十分あり得る事になる。
ここで次に知るべきことは、イネの花芽分化の条件になる。
有効分げつが発生したとしても、発生直後に花芽分化が起こってしまっては、有効分げつからまともな収量は期待できない。
というわけで、イネの花芽分化についてを調べてみることにした。
花芽分化に関して、育種学の先生が運営していたサイトにわかりやすい記載があった。
イネの不思議を追う-イネの生物学*おいぼれ育種学者のひとりごと
内容を整理すると、
イネは短日植物であるので、一日の日の短さ(暗い時間が多い)によって花芽分化が起こる。
ただし、花芽分化には最小限必要な栄養生長期を必要とし、これを基本栄養生長相と呼ぶらしい。
花芽分化は日長が10時間程度(暗い時間が14時間)が条件になっている。
一般的な栽培指導の記載だと、田植えの時期によって出穂の時期が異なっているので、イネがある基準の生長を満たしたら、花芽分化が起こると解釈して良いだろう。
となると、イネの生理的なものを考えず、地域の栽培暦をそのまま参考にした方が良いはず。
ところで、日長が10時間程度とはいつ頃を指すのだろう?
余談
個人的な解釈なので参考にはならないだろうけれども、無効分げつというのは、分げつを一個体とみて、花芽分化の条件を満たすまで生長できずに分化の条件の日長を過ぎてしまったものも含まれるのではないのだろうかと。