※上のイメージ画像は新型コロナウイルスのイメージ - No: 3343647|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOKから
昨年は、Twitterを開いたり、テレビのニュースで新型コロナウィルス(以後、COVID-19と略す)関連のニュースばかり流れていた。
COVID-19の出現によって、仕事や生活が大きく変わった一年であった。
新型コロナウイルス感染症 (2019年) - Wikipedia
COVID-19が人々に様々な影響を与える中で、コロナに負けるなとかコロナと闘うという表現が相次ぎ、これらの社会のムードに違和感を感じていた。
人が亡くなっているんだぞと言われたらそれまでだけれども、その割にコロナを含むウィルスを理解する姿勢というものが感じられなかった。
この流れはウィルス≒悪をより一層根深いものにした印象がある。
そういう自分はどうなのだ?と問いただすと、コロナウィルスはRNAウィルスぐらいしか理解がなく、理解する姿勢について問われると、中途半端感が否めない。
そこで様々な知見にアプローチ出来るように足がかりとして、
ウェブで評判のみすず書房から出版されている山内一也著 ウィルスの意味論を読んでみた。
※理解の補完の為に株式会社南江堂の生命科学のためのウイルス学 感染と宿主応答のしくみ,医療への応用も購入
ウィルスの意味論を読んで思い出した事がある。
医学、薬学の基礎に位置する遺伝子工学の発展に大きく寄与した逆転写酵素はRNAウィルスの一種から発見されたことを。
私も学生の頃に逆転写酵素にはお世話になったもので、研究でなくても逆転写酵素の恩恵を受けた人はウィルス感染よりも遥かに多いはず。
他にも哺乳類がより安全に子孫を残す仕組み(妊娠)の発達に関与したのもRNAウィルスの一種の可能性があるらしく、社会のムードがウィルス≒悪に傾いて良いものか?と違和感を感じる。
哺乳類の胎盤形成にはウイルスが関与しており、その遺伝子は順次置き換わることができる - 東京大学大学院農学生命科学研究科 研究成果
癌の発生にもウィルスが関与している可能性が高いという話題もあるので、ウィルス≒悪の印象はより一層強くなるかもしれないけれども、どちらにしてもCOVID-19に対してこれだけ騒いでいるんだから、専門家以外でもウィルスへの理解を高める流れになっても良いものだけれども、その流れはない。
哺乳類の胎盤の形成に関与しているヒト内在性レトロウィルスに興味があるが、COVID-19を足がかりにウィルスの理解を深める事にしよう。