カンキツの回青は晩柑類に多いらしいの記事までで、カンキツのカロテノイドについて再び見ていて、再びカロテノイドについて調べてみようかなと思い検索をすることにした。
カンキツのカロテノイドであれば何でも良いことにして色々と読んでみたら、生駒吉識著 柑橘の機能性成分カロテノイドの代謝生理と制御 - 日本農学アカデミーで
ウンシュウミカンと
オレンジのカロテノイドの比較が記載されていた。
今までの記事からウンシュウミカンには橙色の色素であるβ-クリプトキサンチンが多く、薄黄色の色素であるビオラキサンチンが少なく、オレンジはその逆だと勝手に思っていたが、どうやらそうではないらしく、そもそもの話でカロテノイドの合成量自体が多く、β-クリプトキサンチンが多く、ビオラキサンチンが中程度であるそうだ。
カロテノイドの合成は
ゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP) -> β-カロテン(赤) -> β-クリプトキサンチン(橙) -> ゼアキサンチン(黄) -> ビオラキサンチン(薄黄)の順に合成される。
※途中で省略している化合物名がある
ウンシュウミカンではGGPPからβ-カロテンへの合成量が多く、その後の反応が中程度にある。
オレンジでは、β-カロテンへの合成量が少なく、その後の反応が頻繁に行われる為に果実の色が薄黄に近づいていく。
ここで真先に頭に浮かぶのが、
ウンシュウミカンはすべての化合物を含め、カロテノイドの合成量の比率を高めているとするならば、他の化合物の合成であまり労力が割り当てられていないものがあるかもしれないと仮定した上で、カロテノイドを合成する為に用いている要素は何になるか?が気になってくる。
その要素を突き詰めれば、ミカンの品質の更なる向上に直結する可能性がある。