野菜の美味しさとは何だろう?マグネシウムまでの記事で美味しい野菜は何なのか?を探る為に、各要素をピックアップして見てみた。
整理すればする程、美味しさとは各要因が複雑に絡み合っていることがわかる。
自身が複雑な味を繊細に感じられるか?
甘味や旨味を増強する要素がある。
これらを踏まえた上で、野菜の美味しさとは何だろう?味覚の増強の思い出話にある師のニンジンに再び触れてみよう。
美味しそうに見えるニンジンを頭に思い浮かべると、色が濃くて綺麗なニンジンが頭に浮かぶはず。
ニンジンの橙の色素といえば、
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β-カロテンと呼ばれるカロテノイドという名称が有名だろう。
これが途中で切れることによってビタミンAが生成されるのも有名だろう。
ニンジンのカロテノイドは人が生きる上で目という超重要な器官に関与しているわけで、色鮮やかに見えるニンジンは美味しそうに見えるということに違和感はない。
カロテノイドと言えば、ニンジンに限らず黄、橙や赤色の野菜であれば大体関与していて、
トウガラシやパプリカの色素もカプサンチンというカロテノイドに因るもの。
このカロテノイドに関して、思い出したことがあるので記載する。
神奈川県横浜市に鶏らーめん極楽鳥というラーメン屋がある。
最近、この町に行けてないので今は変わっているかもしれないが、極楽鳥のラーメンのダシについての話をしよう。
醤油ラーメンを注文すると、上の写真のような感じのラーメンを頂くことが出来る。
このラーメンのスープをよくよく見てみると、
油の端の色が黄色や橙色になっていて色鮮やかだ。
このスープのダシに使わていたのが、
横濱鶏と呼ばれる産卵鶏の餌を与えて育てられた食用鶏で、肉質は噛みごたえがあり、赤身が強いのが特徴なのだが、この肉を茹でると黄金色の油が出てくるのも大きな特徴となっている。
黄金色の油というのはトウモロコシ、カボチャやパプリカ等の飼料由来のカロテノイドだろうと言われている。
仮にトウモロコシの色素だとしよう。
トウモロコシの黄色の色素と言えば、
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遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策のキサントフィルサイクルで触れたゼアキサンチンというカロテノイドを主としたものだと言われている。
横濱鶏から出る黄金色の油は他の食用鶏の油と比較して、さっぱりとしつつ明確な旨味もある。
この旨味にカロテノイドは関与しているのか?
はたまた、カロテノイドは美味しそうに見せるだけなのか?
味は視覚からくる情報でもかなり影響があると考えられているので、美味しそうに見えるだけでも野菜の美味しさに十分貢献することになる。
カロテノイドは体内の酸化反応を抑制することで、酸化による活性酸素の発生が原因とした発がんを抑制する。
カロテノイドの一種であるリコペンが発がん性物質の100倍量あると、100%発がんを抑制したという報告がある。
稲熊隆博 カロテノイド含有野菜のヒト健康への寄与およびその利用に関する研究 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi,62(6), 263-273, 2015
再び横濱鶏を見ると、写真の黄色がカロテノイドであるならば、こんなにも脂肪分にカロテノイドを蓄えているのだなということがわかる。
「美味しそうに見える野菜の摂取は健康に繋がる」という無理やりな〆で話を終えることにしよう。
余談だけれども、師のところで出荷作業を行っていた時、B級品のニンジンをダンボールに詰めてあるお客様へ送付していた。
その方曰く、師のニンジンが美味しくて沢山注文して食べていたら、癌と申告された家族の癌が緩やかだけれども良くなった。家族の為に師のニンジンでジュースを作ってあげたいとのことだった。
癌が軽減されたのは、医者も驚いたそうだ。
この話だけでは、師のニンジンが本当に癌に何らかの影響を与えたかは判断できないけれども、そんなやりとりがあった程度で記載してみた。
野菜の美味しさとは何だろう?亜鉛の話もあるので、土壌を劣化させずに丁寧に栽培をしていたら、野菜の美味しさの追求で健康保険の問題は軽減されるかもしれない。
2020年5月21日追記
カロテノイドの一種のβ-カロテンが免疫グロブリンの合成に関与している可能性があるらしい
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