柏餅といばら餅の記事で近畿圏以西ではカシワは分布していないから、柏餅の代わりにいばら餅というものがあるという内容を記載した。
文中でカシワの分布について調べてみたが、自生したカシワは近畿圏以西ではなく、近畿圏と四国で集中的に分布していなかった。
不思議なのは、昔の都があった京都や奈良と同じ緯度にある愛知県の南方でカシワが自生している記録があるので、カシワの生息環境は緯度によるものではなさそうだ。
服部保等 古典,古文書における「かしは」に関する研究 一「かしは」はカシワ (Quercusdθ刀tata Thunb.)か- - 兵庫自然研究会報告第1号 2015年8月1日
というわけで、カシワの生息環境について調べてみることにした。
はじめに
先月平凡社から発売された世界のどんぐり図鑑(徳永桂子著 原正利解説)を読んでみた。
カシワのページには、火の入る草原や、海岸付近に多く見られると記載されていた。
この内容により、京都や奈良には自生のカシワはいないが、同じような緯度の愛知県の南部にカシワが自生していることに関して理解できた。
ただ、この内容だと、愛知県北部から長野あたりの山脈の箇所にカシワが自生している理由にはならない。
ここで改めて検索をしてみると、Wikipediaでは下記のように記載されていた。
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山地や山野、海岸近くに生える。痩せた土地や乾燥地でも生育することから、火山灰地や海岸などに群落や大樹が見られることが多く(以下省略)
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山地や火山灰地という条件を加えれば、カシワの生育環境として近畿圏が外れるのは納得できる。
奈良や京都といった盆地だと、カシワにとっては過酷な環境なのかもしれないね。
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