唐突だが、先月平凡社から発売された世界のどんぐり図鑑(徳永桂子著 原正利解説)という本を購入した。
解説の方が
以前紹介した原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略 - 京都大学出版会の著者ということで、上記の本の内容を補完するために読んでいる。
早速、今まで気になっていたことの現状を調べる事にする。
気になっていたことというのは、
今まで読んできたブナ科の本を元にドングリ探しのベースとして作成した上の図で、コナラ属(上の図には記載がない)内の亜属がどうなっているのか?を調べた。
それを踏まえた上で作成し直すと、
コナラ属の箇所がコナラ亜属とケリス亜属に分かれているらしい。
※亜属の下に以前触れたアカガシ節等の節がある
※系統図は何度も修正が加えられより精度の高いものになるため、変更される可能性大
この系統図で興味深いのが、
落葉性のコナラは当然コナラ属コナラ亜属(シロナラ節)に分類される。
常緑性のシラカシはコナラ属ケリス亜属(アカガシ節)に分類される。
これらを踏まえた上で、
落葉性のクヌギやアベマキはどのように分類されているか?を調べてみると、落葉性だからコナラが属すコナラ亜属と答えたくなるところ、常緑性のシラカシと同じケリス亜属に分類されるらしい。
クヌギやアベマキはケリス亜属に分類されるが、節はカシとは異なり、ケリス節(もしくはクヌギ節)に分類されているらしい。
こんなに細かく分類して何の意味があると思うだろうけれども、性質や形態だけでなく、遺伝子解析の結果も含めた分類というのは、進化に関する重大な発見のタネになる可能性を秘めているので、ケリス亜属に常緑性のカシ等と落葉性のクヌギ等が含まれているということに、大発見の可能性が秘めているように見えてしかたがない。