アミノ酸肥料には動物性と植物性があるけれど、再考に引き続き、各種アミノ酸のことを調べている。
というわけで、健康食品として有名なGABAこと、γ(ガンマ)-アミノ酪酸について見ていきたいと思う。
GABAはギャバと読み、Gamma-Amino Butyric Acidの頭文字をとって、GABAと書く。
チョコレート等に入っていて、ストレスの緩和等の名目で販売されている。
実際のところは、脳内の血流あたりに作用して、脳のリラックス効果として作用するという謳われ方が多い。
このγ-アミノ酪酸は植物体内ではグルタミン酸を前駆体として合成されるとのこと。
各アミノ酸のことを調べているので、GABAも見ておいた方が良いなと。
植物体内でのGABAのざっくりとした働きを知るために、要約が記載されている論文を探してみると、下記の論文が引っかかった。
植物におけるγ-アミノ酪酸(GABA)の生理機能の解明 - GABAの受容および分析に関わる新奇タンパク質の単離・同定-
上記のページから抜粋すると
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植物においてγ−アミノ酪酸(以下GABA)は,細胞内pH の調節,浸透圧の調節,食餌に対する防御物質として働いていると考えられているが,最近になって,シグナル物質としての機能も有することを示唆する実験結果が得られている。
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と記載されていた。
とりあえず、細胞内pHの調整について触れていくことにしよう。
この内容について的確に触れているのが、GABA(ギャバ)について | みんなのひろば | 日本植物生理学会のページで要点を抜粋してみると、
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GABAは植物でもグルタミン酸の脱炭酸反応によって生成します。グルタミン酸からGABAを生成する反応はプロトンの消費反応であり、これを触媒するグルタミン酸脱炭酸酵素は至適pHが酸性側にあるため、細胞質が酸性化すると反応が促進されます。
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と記載されていた。
最初にプロトンに触れておくと、プロトンはH+のことで、pHを酸性に傾ける要因である。
グルタミン酸からGABAを生成する反応でプロトンが消費されるので、GABA生成時にpHが上がる。
そろそろ、各種物質の構造を見ていくと、
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グルタミン酸は側鎖にカルボニル基(-COOH)を持ち、酸性の要素であるカルボニル基が2つ、塩基性の要素であるアミノ基が一つの酸性のアミノ酸となる。
GABAはグルタミン酸の脱炭酸反応により生成されるものなので、プロトンを取り込み、カルボニル基を一つ外すことによって生成されることになるため、
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プロトン取り込みによるpHの上昇と、酸性のアミノ酸でなくなったことによるpHの上昇がある。
側鎖でない箇所のカルボニル基が外れ、カルボン酸になって、それは引き続きpHを下げる要素だけれども、新たに生成されたカルボン酸はpHを下げる要素が少ないのか?
細胞外に排出してpHを下げる要素を減らすのか?
そこら辺はよくわからないけれども、GABAが生成されることによって細胞内のpHが上がることはわかった。
※カルボン酸はカルボニル基を持つものなので、普段の話題であれば有機酸と記載しているもの。乳酸とかシュウ酸とか
これでまた一つ、植物体内でのアミノ酸の働きの知識を得た。
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