キノンはケトンの特徴を持つと捉えると見えるものが増えるはずの記事でキノンには、
カルボニル基を持つように見え、厳密にはケトンではないが、ケノンのような特徴を持つというという内容を記載した。
※カルボニル基を持つ化合物をケトンと呼ぶ。
キノンは腐植の形成に重要であるので、ケトンの特徴を知れば、腐植の形成に対して少し明確になるかもしれない。
カルボニル基の特徴を電気陰性度を用いて考えてみる。
電気陰性度というのは、原子が共有結合を形成した際に、電子を引きつける強さを表す指標になる。
各々の電気陰性度(χ:かいと読む)を見ると、炭素Cは χ : 2.5 で 酸素Oは χ : 3.4 で酸素の方が電子を引き付ける力が強く、
炭素Cが δ+ に荷電し、酸素Oが δ- に荷電する。
※ δは若干という意味がある
δ+ に荷電した炭素Cは求核剤からの攻撃を受けやすく、求核付加反応を起こしやすくなるそうだ。
一例を挙げると、
アセトンと水(H2O)で、
Akane700 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
のような反応になる。
詳しく見ていくと、アセトンの -C=Oの個所で、二重結合の電子の一つが酸素に移動し、-C-O- になりつつ、水から離れたOH-が炭素に付加する。
その後、OH-が抜かれてH+のみになった水が、-C-O- に付与され、プロパン-2,2-ジオールになる。
この反応は強酸性の水溶液で行われるとか、平衡状態であるとかの話題もあるが、反応の詳細は触れないでおく。
腐植の形成に対して少しずつだけれども、近づいている感はある。