カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモータの記事まででウィルスに関する様々な事に触れてきた。
現在把握されているウィルスに関する事を網羅的に把握する為の第一歩を踏み出せるところに近づいたかなと。
これらの話を踏まえて、ssRNA(+)であるコロナウィルスについて再び触れてみる。
良い例えだか不明だが、設計図を持つパソコン(DNA)、情報を部分的に取り出し運搬するUSBメモリ(mRNA)と設計図を元に何らかを組み立てる3Dプリンタ(リボソーム)の関係でコロナウィルスの理解の挑戦をしてきた。
ここで超重要な一点に触れていないことがわかる。
それは、赤いUSBメモリに例えた侵入してきた悪意あるものの複製について触れていない。
赤いUSBメモリが何らの方法で増えて、上の製造ラインから抜け出さないと、悪意あるデータは伝染しない。
ここらへんがどうなっているのか?というと、
赤いUSBメモリ内に自身を複製する為の機械の設計図があって、3Dプリンタに複製機を作らせ、自身(赤いUSBメモリ)を増殖させる。
生命科学に戻って、自身を複製する為の機械に相当するものがRNA依存性RNAポリメラーゼと呼ぶらしい。
ここで一点興味深い話題として、宿主細胞ではmRNAからmRNAを合成する経路がない。
今回のRNA依存性RNAポリメラーゼは一部のRNAウィルスに特異的に存在する経路になる。
ということは、RNA依存性RNAポリメラーゼの働きのみを止める事ができれば、一部のRNAウィルスの感染が弱まる事になる。
この視点で開発されているものがRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤になるらしい。