おそらくシリブカガシであろう木を見かけた。
シリブカガシというのは、マテバシイ属に属する木で、ドングリの尻が凹んでいる。
この木の下で、
殻斗付きのドングリを拾う。
見ての通り、一つの花序に様々な向きと大きさのドングリ(以後、形を区別するために堅果とする)があったであろう殻斗が融合している。
殻斗の融合の数は以前見たマテバシイとは比べ物にならない程多い。
この堅果を見ていると、ブナ科の進化の過程において、大小様々な大きさの堅果(シリブカガシ)が、生存がより確実になるように堅果の形を合わせた(下記の図のマテバシイ属より上)といった変化があったのでは?と想像できる。
※図:原 正利著 どんぐりの生物学 ブナ科植物の多様性と適応戦略 名古屋大学出版会 44ページを参考にして作成
ただし、上の内容だと
ブナの堅果の形の整い具合が説明できないので、マテバシイ属は堅果の大きさのランダム性を得たけれども日本の温帯では広まらなかったと見ることが出来る。
実際のところはわからないけれども、新たなドングリを見つけると今までのドングリに対しても想像が膨らむものだ。