太陽と海と藻類たちの記事までで、
酸素発生型光合成生物である紅藻と緑藻(ついでに陸上植物)まで触れた。
この話題の際に藻の系統樹を挙げたわけだけれども、
この図を見て一つ疑問が生じる。
写真:ねこのしっぽ 小さな生物の観察記録より引用
珪藻やコンブ等の褐藻は(系統樹では)どこにいる?と
この疑問に答えるには、二次共生を知る必要がある。
真核藻類の誕生の記事で、
黒丸を古細菌、オレンジの丸を呼吸を行う細菌、緑の丸を光合成を行う細菌だとして、
このように二種類の細菌を取り込んで光合成を行う真核生物になる過程を一次共生と呼んだ。
上記に対して二次共生というのが、
左が紅藻か緑藻の真核藻類で、
右の灰色の丸が別の原始的な真核生物だとして、
灰色の丸の真核生物が紅藻か緑藻を取り込んで新たな真核藻類が誕生したことを二次共生と呼ぶ。
今回の記事の冒頭の系統樹を書き直すと、
上記のようになり、
珪藻や褐藻を含むグループをストラメノパイルの呼ぶ。
?の位置(卵菌の根元)は現時点で紅藻からの点線の矢印の右か左かは明確ではない。
更に注意で、
ストラメノパイルのグループは上記の記載以外の枝の広がりがあるが、
今までの記事で話題に挙がっていないので省略している。
こう見ると、
大型の褐藻であるワカメと陸上の植物が系統樹的に見たら、
とても離れた種であることが驚きだ。
二次共生の視点で見ると、
ワカメやコンブといった大型褐藻の海藻にはとんでもない可能性を秘めているように感じてしまう。