字句解析器を作る為にデータ構造のスタックを見るの記事で、データ構造のスタックを見た。
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スタックはデータの後入れ先出しで配列に値を入れた際、一番最後の値を取り出すというものだった。
今回はデータ構造でスタックと合わせて紹介されるキューについて見てみる。
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キューは先入れ先出しのデータ構造になっていて、複数のタスクが待機して順に実行する時に用いられる。
ちなみにキューの用語はデータの挿入がEnqueue(エンキュー)でデータの取り出しがDequeue(デキュー)と呼ぶ。
それでは上のイメージに合わせてGoで書いてみることにする。
最初にディレクトリ構造は下記のようにする
queue ├── main.go └── queue └── queue.go
queue/queue.goは下記のように書いた。
package queue import ( "log" ) const capacity int = 10 var first int var last int = -1 //キュー用の配列 func New() []int { return make([]int, capacity) } //エンキュー func Enqueue(s []int, x int) { //キューが満杯になっているか?は下記の式で確かめられる last++ if last >= capacity { log.Fatal("キューが満杯です") } s[last] = x } //デキュー func Dequeue(s []int) int { if first-1 == last { log.Fatal("ジョブがありません") } x := s[first] s[first] = 0 //値を空にする first++ return x }
firstとlastで最初に入れた位置と最後の位置を管理する。
このコードを用いて、EnqueueとDequeueを試してみる。
main.go
package main import ( "fmt" "./queue" ) func main() { s := queue.New() fmt.Println(s) fmt.Println("5,3,7を入れてみる") queue.Enqueue(s, 5) queue.Enqueue(s, 3) queue.Enqueue(s, 7) fmt.Println("0,3,7であれば良い") fmt.Println(s) fmt.Println("値を取り出してみる。5であれば良い") fmt.Println(queue.Dequeue(s)) queue.Enqueue(s, 2) queue.Enqueue(s, 4) fmt.Println("0,3,7,2,4であれば良い") fmt.Println(s) fmt.Println("値を取り出してみる。3であれば良い") fmt.Println(queue.Dequeue(s)) }
実行結果は下記の通り
$ go run main.go [0 0 0 0 0 0 0 0 0 0] 5,3,7を入れてみる 0,3,7であれば良い [5 3 7 0 0 0 0 0 0 0] 値を取り出してみる。5であれば良い 5 0,3,7,2,4であれば良い [0 3 7 2 4 0 0 0 0 0] 値を取り出してみる。3であれば良い 3
期待通りの動作となっている。
ここで一つ気になる事がある。
キューを管理する配列を最後まで到達したらどうなるのだろう?
先程のコードであればオーバーフローになるが、ここで使い勝手を良くする為に、
直線だった配列の両端を繋いでリングバッファにする。
それでは、リングバッファになるようにコードを書き換えてみる。
queue/queue.go
package queue import ( "log" ) const capacity int = 10 var first int var last int = capacity - 1 //キュー用の配列 func New() []int { return make([]int, capacity) } //エンキュー func Enqueue(s []int, x int) { //キューが満杯になっているか?は下記の式で確かめられる(動作が怪しい) if first > 0 && (last+1)%capacity == first { log.Fatal("ジョブが満杯です") } last++ if last == capacity { last = 0 } s[last] = x } //デキュー func Dequeue(s []int) int { if first-1 == last { lastが9の時は正常に動作しないので要検討 log.Fatal("ジョブがありません") } x := s[first] s[first] = 0 //値を空にする first++ if first == capacity { first = 0 } return x }
書き換えたコードを試してみる。
main.go
package main import ( "fmt" "./queue" ) func main() { s := queue.New() //オーバーフローの準備 値を10個 for i := 1; i <= 10; i++ { queue.Enqueue(s, i) } fmt.Println("値がすべて埋まっている状態") fmt.Println(s) fmt.Println("最初にいれた1を取り出す") fmt.Println(queue.Dequeue(s)) fmt.Println("リングバッファになっているか確認するため、新たに値を入れてみる") queue.Enqueue(s, 11) fmt.Println("値がすべて埋まっている状態") fmt.Println(s) fmt.Println("値を追加してオーバーフローにする") queue.Enqueue(s, 12) }
実行結果は下記の通り
$ go run main.go 値がすべて埋まっている状態 [1 2 3 4 5 6 7 8 9 10] 最初にいれた1を取り出す 1 リングバッファになっているか確認するため、新たに値を入れてみる 値がすべて埋まっている状態 [11 2 3 4 5 6 7 8 9 10] 値を追加してオーバーフローにする 2020/10/01 15:40:48 ジョブが満杯です exit status 1
想定通りの処理になったかなと。
前回同様、事前にたくさんのケースを加えたテストコードを作る必要があるけれども、今回は端折る。