独特の食感のキクラゲまでの記事で食用キノコの生態や栄養価について触れてきた。
何かを理解する上で、網羅的に整理することで見える事があるので、引き続き食用キノコについて触れる事にする。
Andreas Kunze - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
今回触れたいキノコはトリュフ型キノコのショウロという食用キノコだ。
ショウロは漢字で松露と書き、針葉樹林のマツ林に生えるらしいが、どうやら何処のマツ林でも生えるというわけではなさそうで、更に菌根菌であるため人工栽培はできず、超高級の食用キノコとして扱われているらしい。
先駆植物に類似した特徴のキノコであるため、撹乱環境を生育条件とするそうだ。
山火事等で生態系が激変した箇所で比較的はやく生える木がマツで、そのマツの根に寄生するショウロも先駆的な特徴を持つということか。
木を除く撹乱にいち早く生える植物を思い浮かべてみると、
ロゼット型の植物で、ロゼットといえば進化の過程で後半に現れた形質というイメージがある。
※アザミに撹拌された環境を好むイメージはないけれども、私の中ではロゼット=アザミなのでアザミの写真を載せた
ここで小学館の図鑑NEO きのこに記載されていた内容を挙げると、冒頭の写真のトリュフ型キノコは柄がなく単純な形をしていて、原始的なキノコという印象を持つが、DNAを調べた結果、
先に柄有りのキノコが現れ、その後に柄なしのトリュフ型キノコが現れたと考えられているそうだ。
植物同様、先に森で生えるキノコが現れ、その後に撹乱環境で生えるキノコが現れたという流れは面白いなと。
ショウロは菌根菌ということだけれども、先駆的に生えたクロマツに強靭な力を与えているのかな?
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