前回のホウレンソウとダニの話に引き続き、

今回もダニ関連で把握しておきたい内容のメモのようなもの


今回の話に入る前に復習で触れておきたいこととして、

ダニの大半は人の社会に危害を加えない。

もしかすると有益なダニが沢山いるかもしれない

ということを忘れてはならない。

食品残渣系の堆肥にダニが湧いた


カブリダニという生物農薬があって、

カブリダニに様々な害虫等を捕食させて、化学的な農薬の使用量を下げつつ、秀品率を向上させる。

生物農薬 - Wikipedia


これらの内容を踏まえた上で、

施設栽培のナス等を加害するミツユビナミハダニについて触れることにしよう。





前回に引き続き朝倉書店から出版されているダニのはなし -人間との関わり-という本から抜粋する。


ワルナスビが猛威を振るう


2000年代の最初の方で、

河川敷で度々見かけるワルナスビやイヌホウズキでミツユビナミハダニが度々発見された。

ミツユビナミハダニは海外からの侵入種として扱われている。


このハダニに加害されたナス科の作物は秀品率が低下する。

このハダニが厄介なのは天敵であるカブリダニも不調にするだけではなく、

プロテアーゼ活性阻害が未加害葉の1/3程度まで抑制される

という報告がある。


プロテアーゼ活性阻害とは何だ?

これが低下すると何か問題があるのか?

という疑問が生じるような内容だけれども、


このプロテアーゼ活性阻害というのは栽培にとって非常に由々しき事態となる。


プロテアーゼ活性阻害について過去記事から引っ張ってくると、

プロテアーゼ活性阻害は植物の免疫に関与している生理作用である。

ジャスモン酸とサリチル酸


減農薬を行いたい施設栽培では、

ミツユビナミハダニは作物の免疫と生物農薬(カブリダニ)の効果を同時に低下させるので非常に厄介なハダニであると言える。


ハダニは風に乗ってやってくる

という記述も見かけたので、



河川敷のナス科雑草の放置というのも、

施設栽培での難易度が年々増加している要因の一つになっているのかもしれない。


お勧めの読み物

ハダニは攻撃方法の異なる天敵に対する護身術を両立できない - 京都大学