前回の100%米粉パンまでの記事で穀物、グルテンとクラム(パンの内側の膨らみ)についてを見てきた。
内側の次といえば外側だろうか。
外側のことをクラストと呼ぶらしく、
発酵パンであれば、クラストはどれもうっすら褐色になっている。
パンを焼くと綺麗な褐色になるのは何故だろう?
明らかに焦げではないことはすぐにわかる。
この疑問に
吉野精一著 BLUE BACKS パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密が応えてくれていた。
焼き上げ事のクラストの褐色は、メイラード反応とキャラメル反応によるものらしい。
メイラード反応といえば、味噌の熟成からボカシ肥の機能への記事で取り上げた高温時に糖とアミノ酸が結合して褐色になる反応で、キャラメル反応といえば、高温時に糖のみが酸化反応によって褐色化する反応でこちらは焦げとして扱われる。
Wikipediaのメイラード反応を読むと、糖と反応するアミノ酸によって香りが異なり、小麦(強力粉)に比較的多いとされるプロリン、ロイシン、フェニルアラニンとバリンを見ると、
プロリン + グルコース → パンの匂い
ロイシン + グルコース → 嫌なチーズを焼いた匂い
フェニルアラニン + グルコース → ライラックの花の匂い
バリン + グルコース → 刺激のあるチョコレートの匂い
※どちらも高温域の方を見ている。
※強力粉中最も多いグルタミン酸と含硫アミノ酸は除く
穀類/こむぎ/[小麦粉]/強力粉/1等 - アミノ酸-可食部100g - 文部科学省
キャラメル反応の方は俗に言う焦げの匂いで、これらの反応がちょうど良いバランスでパンの芳香となる。
では、どちらの反応でも共通にある糖やアミノ酸はどこからくるのか?
そこにも生化学があるわけでそれはまた今度