
前回の米はアレルギーの原因にはならないのか?という記事で、米には粘弾性に関与且つアレルギーの原因にもなり得るグルテンが少ないことを知ったことを紹介した。
グルテンが少なければ、発酵パン特有の

内側の膨らみのクラムが形成出来ないことに繋がる。
ここで一つ疑問が生じる。

巷で時々見かける100%米粉パンはどうやって製造しているのだろうか?ということ
※上の写真の米粉パンが100%米粉から出来ているか?は不明
この疑問に対して、西岡昭博 プラスチック発泡成形技術を応用した米粉100%パンと新アルファ化穀物粉製造技術の開発 J. Appl. Glycosci.,Vol. 56, Suppl., 2009の報告が解消してくれた。
とは言っても聞き慣れない専門用語が多く理解に苦しんだが、酒米を粉砕して得られる酒米粉がアルファ化(糊化)していたらしく、アルファ化した粉であればプラスチック製造の応用でパンが出来るそうだ。
私の解釈に誤りがなければ、米粉パンはグルテンではない別の物質でクラムを形成したことになる。
他に米粉パンに食塩の代わりにグルタチオンを添加したら、小麦パンのクラムのような膨らみのパンが出来たという報告もあった。
グルタチオンを利用したグルテンフリー米粉パンの製造基盤技術 | 農研機構
工学的手法で不可能だとされていた米粉パンが出来た。
異分野の知見の応用で不可能を可能にしたという展開はアツい。




