香りマツタケの香りはどんなもの?の記事の続き。

マツタケの香りではないけれども、大﨑久美子著 きのこ由来揮発性物質による作物保護技術の開発 -きのこの香りで作物を病気から守る- 日本農薬学会誌 日本農薬学会誌 44(1), 69-70 (2019)という読み物にキノコの香りで興味深い内容があったので紹介する。


キノコ類が生成する揮発性抗菌物質をVolatile antibioticsでVAと呼び、VAのうち作物に与えたらとある病原性の菌の奉仕発芽を抑制したとのこと。


この読み物で挙がっていたキノコの一つに



ブナシメジがあった。


※図:大﨑久美子著 きのこ由来揮発性物質による作物保護技術の開発 -きのこの香りで作物を病気から守る- 日本農薬学会誌 日本農薬学会誌 44(1), 69-70 (2019) 図1より引用


ブナシメジから分離されたVAは2-methylpropanoic acid 2,2-dimethyl-1-(2-hydroxy-1-methylethyl) propyl esterという物質で、様々な作物の病気の抑制をしたが、特にキャベツの黒すす病菌に対して顕著な抗菌作用を示した。


この報告で更に興味深い内容として、ブナシメジの廃菌床には上記VAが放出されている可能性が高いことと、



そんな廃菌床が大量に廃棄されているということ。


金野尚武著 きのこ類が生産する糖質加水分解酵素 - 木材保存 Vol.39-2(2013)によるとブナシメジは白色腐朽菌に分類されているので、廃菌床はリグニンも分解された状態になっているだろうから、大量に廃棄されているのは勿体なさすぎる。

キノコの廃培地は再利用せずに焼却している


キノコ栽培をしている建物の近くには水田が多いだろうし、廃菌床を水田にまいてレンゲを育てたら、超高品質な米が収穫出来るのではないか?

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廃菌床の焼却量を減らせば埋没炭素量も増えるわけで、二酸化炭素排出量を削減しつつ、米の品質も高まり、更にキノコの摂取で風邪の予防になって一石三鳥な展開がありそうだ。

年々勢いが増すと予想される台風に対して出来ることはあるか?


野菜の栽培の方でも農薬の使用量の削減に繋がるならば、農薬の合成や散布の際の燃料の使用量の削減に繋がるわけで、こちらでも二酸化炭素の排出量の削減に繋がる。

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ブナシメジの廃菌床はブナシメジの休眠胞子が大半を占めるだろうし、ブナシメジが作物栽培時に何らかの悪影響を与えない限り、廃菌床は積極的に使っていくべきだ。

経験上、ブナシメジの菌糸が栽培にとって悪さをすることはほぼないだろうけどね。


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