前回のレンゲ米は美味しいのか?の続きの記事で水田の冬季にレンゲを育てることで、根圏微生物フロラが改善されて、難吸収性の養分の吸収の効率が高まり、それが米の食味に影響を与えるのでは?という内容を記載した。
上記の内容が正しいと仮定して、冬季のレンゲ栽培をより効果的にする方法を考えてみる。
根圏微生物フロラが広域になるための要素を挙げてみると、
・レンゲの発根量が増すこと
・根圏微生物が好む環境が適切にあること
・共生微生物と適切に共生関係を結べること
あたりが思いつく。
1つ目のレンゲの発根量を増やすことは、下記の記事を参考するということでこれ以上触れないことにする。
※上の写真はアカクローバの根
共生する土壌微生物は主に糸状菌、枯草菌と根粒菌に絞って話を進めると、緑肥について学んでいた時に指針となった本の記事で見た
※図:朝倉書店 土壌微生物生態学(堀越孝雄 ・二井一禎 編著) 12ページより引用
粘土鉱物を中心にして団粒構造を形成して、空隙も適切にある土壌環境にする必要がある。
図:植物の生育促進への利用に資する,枯草菌の転写応答機構の研究 30ページより引用
土壌微生物と共生関係を結ぶために必要なものは、根から分泌されるフラボノイド等が大事だとされる。
※上の図はレンゲやクローバではないけれども、マメ科植物と根粒菌の間でも同様のことが行われている報告がある
フラボノイドは光合成を経て、芳香族のアミノ酸から合成されるもので、合成の際に様々な金属が必要となる。
まとめると、レンゲの発根にとってストレスのない環境が必要なわけで、
水田で稲作中に入水で一緒に入ってきた粘土によって締まった土を軽くしてからレンゲのタネを播種すれば良いことになる。
稲穂の収穫で失った各種金属系の成分も意識して、
ベントナイトを主として、
少し粗めな植物性の有機物で土を軽くした後にレンゲを育てることで、次作の稲作に対して素晴らしい環境でスタートすることができるのではないだろうかと。
要はレンゲ栽培の前に土作りは大事だよということ。
※緑肥の効果を高める為に、次作で使用する予定の土壌改良資材を前倒し緑肥の時に使用すると秀品率が向上する。
余談
レンゲ栽培中に追肥を与えるのも有効であるはず。
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