炎光光度法でマグネシウムを測定しないのは何故か?の記事で、土壌分析のマグネシウムの測定では、カリウムで用いた炎光光度法では測定できないことを記載した。
では、マグネシウムはどのように測定するのだろうか?
改めて農林水産省のサイトにある土壌分析法を読んでみると、マグネシウムは原子吸光光度法を用いて測定していた。
原子吸光光度法に関してわかりやすい説明を探してみたところ、個人的には【分析機器解説!】原子吸光法と原子吸光分光光度計について | 尾北環境分析株式会社がわかりやすかった。
雑にはなるが更に要約してみると、
測定したい物質を高温で熱することで物質を細かく(原子化)し、
※折れ曲がった線は物質に反射したことを示す
原子化したものに様々な波長の光を当て、光を吸収したもの(上の図では紫)を測定する。
上で紹介したページでは最終的に何を測定したか?が記載されていないが、おそらく発射した光の内どの波長がどれくらいなくなっているか?の値を取得しているはず。
これであれば、近紫外線(380〜200nm)を当て、マグネシウム(285.2nm)を測定することも可能となる。
冒頭で参考にした土壌分析の資料だけれども、カルシウム(422.7nm)も原子吸光光度法で測定していた。
カルシウムの波長であれば炎光光度法でも十分測定出来ることになっているのだけれども、なぜ原子吸光光度法を採用しているのだろう?
もし、原子吸光光度法が炎光光度法よりも安価であれば、カリウム(766.5nm)も原子吸光光度法にすれば良さそうだけれども、そうはしていない。
この当たりも調べていけば、興味深い何かを得ることになるのだろうな。