吉川弘文館から出版されているよみがえる古代の港という本が面白い。
よみがえる古代の港 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
上記の本は弥生時代から古墳時代を経て奈良時代へと変化していく事を港と航海を切り口にして考察している本になっている。
この本で真っ先に目に付いた内容として、地名に津とついた場所は古代史において港であった可能性が高いという事だ。
例えば、岡山には吉備津神社という古くからある神社がある。
地図で見ると、吉備津神社は海岸線から20kmも離れた場所にあるが、古代史の頃にはここに港があったとされる。
現在の吉備津神社付近には平野が広がっているが、古墳時代辺りではこの平野部は内海(ラグーン)だったとされ、海抜が下がりつつ、上流から流れてくる土砂が堆積して平野になったとされている。
岡山の吉備津神社付近といえば、山陽の花崗岩が有名で、花崗岩帯特有のたたら製鉄も有名だ。
川の上流が花崗岩帯で、そこから流れてきた土砂で平野が形成された。
このフレーズを聞いたら、平野部がどんな土質であるか?が簡単に想像でき、作物の栽培を始めるならば、最初にどのような施肥設計をすれば良いのか?も想像出来る。
地名から得られる情報が増えれば見えるものが増えてくるのだろうな。