即効性肥料の代表格である硫安と、
硫安の代わりに使われ始めた尿素、
尿素は硫安の様な速さで肥効はあるの?
という話題になった。
とりあえず化学式を書いて考えてみよう。
硫安は
(NH4)2SO4で硫酸塩である。
一方尿素は、
(NH2)2COで有機化合物である。
硫安は水溶性で水で溶かすと即効でイオン化するので、
溶かす→すぐに効く
という解釈であながち間違いではないだろう。
2NH4+ + SO42-
一方尿素は塩ではなく有機化合物なので、
何らかの酵素反応を挟まなければいけない。
尿素を分解するのはウレアーゼという酵素で、
何らかの土壌微生物が合成できたはずで、
加水分解で尿素を分解する。
式は、
(NH2)2CO + 4H2O → 2NH3 + CO2 + 2H2O → 2NH4+ + CO2 + 2OH-
で水を加えて分解してアンモニアと二酸化炭素を排出する
分解は水に溶けてから酵素反応という硫安より1ステップ多くなるので、
尿素は硫安の様な速さで肥効を示すことはない
ということは言える。
どれくらい遅くなるか?は
土壌のコンディションによって異なるので、
何とも言えないよね。
(栽培にとって良い土程、肥効が速い)
尿素のモル質量は硫安の大体半分なので、
肥効は硫安の半分の量で十分だろう。
-続く-